こんな子がいました その5
実際、ミランダのお洒落心を基本的には励ます方向にありながら、母の目は実に厳しいものです。
それこそ毎朝の慌ただしい身支度の時も、「今日はこれを着たい」という強い主張をもつミランダのチョイスを母が全面的に受け入れることは稀だ。
「こういう組み合わせは絶対におかしい」と言い張る母のストレスも相当なものだろうに、それに屈することなく、たいていは母が勝つ。
ふくれっ面をしながら仕方なく言うことを聞くミランダは、一人思う。
「あたしだって大人になったらきっと自分で何もかも選ぶんだから」結局ほとんどのシーンで「大人が勝つ」ように定まっているフランスのような国では、裕福な家のお嬢さんだろうが何だろうが、子供が主役ということはありえないのでした。
ミランダはそういう現実を「あたりまえのこと」として受け入れ、「ああ、早く大人になりたい」とその日を心待ちにするのです。